飛瀧神社(大滝)
ひろうじんじゃ(おおたき)

旧社格 
世界文化遺産
熊野那智大社別宮
所在地
和歌山県牟婁郡那那智勝浦町那智山

御祭神 大己貴命 (おおなむちのみこと)
由 緒
那智山の奥山、大雲取山(おおくもとりやま)から流れ出る本流に、西側の舟見峠から出る西谷の流れなど、いくつもの流れが重なり合いながら、そして「那智四十八滝」といわれるほどの沢山の滝を奥深い山中に残しながら、遂には高さ133メートルの断崖をいっきに落下しているのが「那智大滝」であります。四十八滝中の「一ノ滝」であり、銚子口(滝の落ち口)の岩盤に三つの切れ目があって、『三筋の滝』とも呼ばれています。
 幅13メートルの銚子口に注連縄が張られているのをあおぎみることができますが、ここにおまつりしている大己貴命の御神体としてこの滝をうやまいあがめているあかしであります。毎年七月九日と十二月二十七日の二回、古来から神事にのっとって『御滝注連縄張替行事』が行われます。昔、諸国からこのお滝に詣でる人々は写経をして、この境内に埋納しました。お滝入口の大鳥居をくぐってすぐ左側が、それらの写経を経筒に入れてお納めした「那智経塚」であります。大正七年以来五回にわたって発掘が行われ、出土の経筒や仏像等は宝物殿に安置されております。また、皇室の方々がお参りになりますと、参道に記念の塔婆をお建てになりました。亀山上皇が弘安四年にご参詣になった折のものが今も宝物殿に残されていますが、それを模したのを、当時の面影のままに参道に立てております。お滝入口の鳥居から『御滝本』までの参道は昔のままの石畳道ですが、「鎌倉積石階段」と申します。お滝壺は、昔は広く深かったと伝えられていますが、落下する岩石のためだんだん狭くなり、深さも十メートル程です。
 そのお滝壺をあふれ出た水は那智川を経て熊野灘に注ぎますが、「お滝拝所」から右手下方に、一つの岩を乗りこえて滝がかかっている様子を見ることができます。文覚上人の荒行で有名な「文覚の滝」であります。「一ノ滝」から山中に分け入りますと、『木の葉返しの滝』ともいわれる『二の滝』があります。ここには速玉之男尊がまつられ、花山法皇千日業の御籠所跡があります。「二の滝」からさらに山中を分け入りますと、『三の滝』があります。『扇の滝』ともいわれる姿うるわしい滝で、熊野櫛楠日命がまつられています。ここもまた、往時、修験の人々の行場でありました。「一ノ滝」「二の滝」「三の滝」が奥へ奥へと重なるようにかかっていることから、この三つのお滝を総称して「三重ねの滝」とよび国の名勝にも指定されています。
     -参拝の栞より-


那智御瀧の遥拝所

熊野那智大社から大滝への参道の途中です。毎年七月十四日熊野那智大社の例大祭(扇祭・那智の火祭り)に扇立て神事を行う聖地です。

飛瀧神社参道入口

参道を少し入ったところの案内板と石碑
那智の大滝についての説明がされています。

飛瀧神社

鳥居のあるところが拝み所で、御神体は、大瀧

大瀧

奥宮からの大瀧
「三筋の滝」

飛龍神社から少し大瀧に近ずいた処からの銚子口(滝の落ち口)です。
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