長柄神社
ながらじんじゃ

旧社格 指定村社・式内社
所在地
奈良県御所市長柄271

御祭神 主祭神 下照姫命 (したてるひめのみこと)
末社祭神 素戔嗚命 (すさのおのみこと) 八坂神社
由 緒
長柄の地名は長江(ながえ)が長柄(ながえ)になり音読して長柄(ながら)になった。長江はゆるやかく長い葛城山の尾根(丘陵)を意味し、ナガラは急斜面の扇状地に残った古語であるともいわれる。
この神社の祭神は、下照姫命であり、俗称姫の宮といわれている。
本殿は昭和三十三年三月二十日、奈良県重要文化財に指定された。一間社春日造り、桧皮葺丹塗の建物である。細部に禅宗様(唐様と称した手法)が見られる優秀な建築である。
ここに棟札が保存されていて、最古のものは、正和元年(一三一二年)、鎌倉時代花園天皇の時代に当り以下十七枚に及んでいる。
建築様式上から正和まで古く見ることは困難であるが、室町中期の頃と推定することができる。軒から屋根に及ぶ材料が新しいのは、後の改修によるものとしても、その他の部分も風蝕が極めて少ないのは、恐らく覆屋で保護されていた為であろうといわれている。
また、手水屋は朝原寺から移したものということである。
平成元年十一月吉日
     寄贈 御所ライオンズクラブ の案内板より

旧長柄街道と水越街道の交差点東方に鎮座。俗に姫之宮とも称し、「延喜式」神名帳葛上郡にみえる「長柄神社(鍬靫)」とされる。祭神は下照姫命となっているが、八重事代主命とする説(特選紳名牒)もある。『新撰姓氏禄』大和国紳別に長柄首は天乃八重事代主神の後裔とみえる。旧村社。創祀年代は不詳であるが、『日本書紀』天武天皇九年(680)九月九日条に「朝嬬に幸す。困りて大山位より以下の馬を長柄杜に看す」とみえ、応永二十五年(1418)の吐田庄注進文(大和志料)にも「ナカラノミヤ」と記し、坪付は現在地とほぼ一致する。本殿は一間社春日造で、県指定文化財。建立年代は不明であるが、正和元年(1312)・嘉吉元年(1441)・長享三年(1489)・寛文八年(1668)など十七枚の棟札が残っており、現在の建築は様式上、嘉吉・長享頃のものとされている。正和の棟札には「奉修造御宝前神主藤原集□ 神主代秋野□大工故大塩屋市兵衛番匠三人」の墨書がある。
     -寺院神社大辞典(大和・紀伊)より-


神社全景

旧長柄街道と水越街道の交差点東方

拝殿

本殿
(県重要文化財)

本殿
(県重要文化財)
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